私が住んでいる町について
宮城県大崎市、岩出山(いわでやま)。 ここは、かつて「奥州の覇者」伊達政宗公が仙台城に移るまでの12年間を過ごし、その後の仙台藩の礎を築いた「伊達の情熱が息づくまち」です。
歴史の重厚さと、豊かな自然、そして職人の技が織りなす岩出山の魅力を、いくつかの切り口でご紹介します。
1. 伊達政宗公が愛した、歴史の薫る街並み
岩出山のシンボルといえば、国の史跡にも指定されている「旧有備館(ゆうびかん)」です。 江戸時代に岩出山伊達氏の隠居所や学問所として使われたこの建物は、日本最古級の学問所遺構。美しく手入れされた回遊式庭園は、四季折々の表情を見せ、訪れる者を静寂の世界へと誘います。
また、街を見下ろす高台には「城山公園(岩出山城跡)」が広がり、政宗公が青年期に天下への野望を抱いた地としての気風を感じることができます。春には数千本の桜が咲き誇り、秋には紅葉が街を彩る、絶好の散策スポットです。
2. 視覚と感覚を揺さぶる「感覚ミュージアム」
歴史の街でありながら、日本でも珍しい「感覚」をテーマにした施設「感覚ミュージアム」があるのも岩出山のユニークな点です。 視覚、聴覚、嗅覚、触覚……。日常生活で忘れがちな「五感」を呼び覚ますアート体験は、子どもから大人まで驚きと癒やしを与えてくれます。歴史ある街並みと、洗練された現代アートが共存する不思議なバランスこそが、岩出山の深みと言えるでしょう。
3. 食文化の至宝「凍み豆腐」と「しそ巻き」
岩出山の厳しい冬の寒さを逆手に取った、伝統の食文化も欠かせません。
凍み豆腐(しみどうふ): 江戸時代から続く冬の風物詩。厳しい寒気の中で凍結・乾燥を繰り返した豆腐は、栄養が凝縮され、出汁をたっぷりと吸い込む逸品です。
しそ巻き: 味噌を青しそで巻き、油で揚げた郷土料理。甘辛い味噌の風味とカリッとした食感は、ご飯のお供にも、お酒の肴にも最高です。
これら伝統の味は、厳しい自然と共に生きてきた岩出山の人々の知恵と努力の結晶です。
4. 職人技の結晶「竹細工」
古くからこの地に伝わる「岩出山しの竹細工」は、しなやかで丈夫な「しの竹」を使い、一つひとつ手作業で編み上げられます。 ざるや籠といった日用品でありながら、その網目の美しさは芸術品の域。使い込むほどに味わい深い飴色へと変化していく竹細工は、一生ものの道具として多くの人々に愛されています。
岩出山を歩くということ
岩出山は、決して派手な観光地ではありません。 しかし、有備館の静かな庭を眺め、名物の凍み豆腐を味わい、竹細工の温もりに触れるとき、この街が積み重ねてきた「本物の時間」を感じることができます。
伊達の美学と職人の手仕事、そして豊かな自然。 心穏やかに過ごしたい休日、ぜひ大崎市岩出山へ足を運んでみてください。そこには、忘れかけていた日本の原風景と、温かなおもてなしが待っています。